巨大ケーソン設置開始　まず１基、釜石港の防波堤整備　岩手

　東日本大震災の津波で大きな被害を受けた釜石港（釜石市）の防波堤の復旧工事で、国土交通省東北地方整備局は１９日、波をせき止める役割を果たす巨大なケーソン（鉄筋コンクリート製の箱）１基を初めて設置した。

　ケーソンは長さ５０メートル、幅２０・３メートル、高さ１９・５メートルで、防波堤の工期短縮のため、震災前よりも２０メートル長く作られている。この日は、水深１６・５メートルの基礎部分に据え付ける作業を実施。今後は砕石を入れて安定させ、上部をコンクリートで固めて固定する。

　震災前、６７基あったケーソンは津波で、５０基が損壊していた。大型化したケーソン６基を含め、最終的に全６３基を設置。平成２８年３月までに南北合わせて１６６０メートルの防波堤を完成させる。

　同局釜石港湾事務所の古土井健所長は「海底工事などを経て、ようやく目に見える形になってきた。防波堤ができて初めて町の復興が始まるという声を聞く。復興のシンボルとなるように作業を進めたい」と話した。